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エアコンの効率はやけに低い。
理論限界からすると、
エアコンっていうのは例えば冷房で外が35度、中が25度なら10度の温度差で投入電力のおよそ30倍の熱をくみ出すことが出来るはずだ。この比をCOPと呼ぶのだけど、実際のエアコンでは8がよいところ。
暖房でも20度の温度差だとすると15は行かないといけないのだけど、5くらい。
で、なぜこんなに低いのかというのは前々から疑問だった。今どき理論効率の1/3以下なんて野暮ったい機械はガソリンエンジンくらいしかない。
放熱器の熱抵抗が大きくて実際の温度差はもっと大きいのだろうかとか考えていたが、熱交換機で10度も温度差があるのも変だし。
で、突然、わかりました。良く考えれば記憶の中にあった。
一般的なエアコンのサイクルでは冷媒の膨張は膨張弁で行うということだ。(例:エアコンの仕組み)
で、この減圧弁による膨張は、トムソン過程と言ったかな?準静過程ではないので、ここで二つの圧力状態の間の自由エネルギーが全部浪費されてしまうのだ。
特に温度差が小さいと考えれば自由エネルギーの多くを捨てていることになりかねない。
これを解決するためには、コンプレッサーをもう一つつけてそれを逆回しして膨張させて動力を得るようにすればよい。
で、その程度のことは技術者なら解るはずなのですでに無いか調べてみた。すると「膨張動力回収」というキーワードで検索に出てくることが解った。
今のところ実用化されているのはイジェクタサイクル(ex.世界初 エジェクタサイクルの製品化)と膨張器サイクル(ex.CO2 膨張器サイクル)。
膨張器はまさにコンプレッサを逆回しのこと。
で、「高効率ヒートポンプシステムの研究開発状況」
によれば、丁度今から2020年くらいが膨張動力回収技術の普及期になるだろうということ。
で、なぜ今までほとんど市場に存在せずいまごろ出てきたかが次の疑問だ。
90年より前くらいはどんどん効率が上がっている。上がっているという事はそれまではコンプレッサーの効率が低すぎて、そっちの効率向上の方が先であったことと、コンプレッサーの効率が低いと言うことは逆回しで回生する効率もひくいということなので、やっても無駄だということだろう。
あと、どうもフロンの場合は膨張の損失が比較的少ないようだ。
で、コンプレッサーの効率向上も終わりだから、そろそろ膨張動力回収の出番であると。
で、するとこの先10年でエアコンや冷蔵庫、給湯器などの効率が倍増する可能性もあるということだ。
関東の住宅の断熱は弱いのだけど、今後は断熱強化に向かうだろうと思っていたけど、今後10年でエアコンの効率が激増すると、断熱向上は遅れることになるかも知れない。
2倍の断熱性を実現するには(多分数十万円なりの)建設費の上昇がおきるけど、エアコンの効率を2倍にするには数万円の追加でいいはずだから。
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